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マーラーおたくのための歴史的録音

51p7lwqjvll_sl500_aa300_1全国数千万(たぶん)のマーラーおたく必携のCDが出ました。ここから先は、マーラーおたくの人以外は読まなくても大丈夫です。読んでもたぶん何のことだかさっぱりわかりません。マーラーの未完の交響曲第10番の、ゴルトシュミット指揮フィルハーモニア管弦楽団による、いわゆる「クック第1稿」の初演(1960年12月19日のレクチャー・パフォーマンス)と、ゴルトシュミット指揮ロンドン交響楽団による「クック第2稿」の初演(1964年8月13日のプロムスにおける演奏)がカップリングされた3枚組CDです(Testament)。

まず前者はBBCのラジオ番組で、クック自らがピアノを弾きながら、ときにはオーケストラを部分的に響かせながら、曲を解説しているパート(Disc1、テキストはTestamentのHPでダウンロード可能) と、第1稿として演奏可能な部分をブロックごとに演奏しているパート(Disc2)に分かれています。曲として完成していない「第1稿」を聴けるのはこのCDだけで、演奏そのものはややぎこちない感じではありますが、非常に貴重な録音です。そして、アルマらから欠落部分の資料提供を受けて完成させた「第2稿」の初演(Disc3)。この演奏は素晴らしい。マーラーと親交があったゴルトシュミットの共感が深く入っていて、冒頭のヴィオラの歌から実にねっとりとしている。フィナーレに入る前後の大太鼓もドキッとするぐらい強烈に打ち込まれています。10番に関しては最近なんだかカーペンター版の録音が多いような気がしますが、これを聴くとやっぱりクックだよ!と思います。

ちなみに私はバルシャイ版も好きです。「もしショスタコーヴィチが補筆していたら…」という妄想を抱かせてくれるような響きだし、なによりナマが強烈だったので。感激のあまり、マエストロの楽屋まで押しかけてしまったのが懐かしい。もうバルシャイもこの世の人ではないのだなあ。

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