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Dutoit (1)

N響の12月定期Aプロの初日を聴く(12月4日)。指揮はデュトワ。
前半は今年のショパン・コンクールの優勝者であるユリアンナ・アヴデーエワの独奏によるショパンのピアノ協奏曲1番。ユーラは1985年生まれということだから、まだ24、5歳か。かなりの長身で、すらっとした黒のパンツスタイルで登場。タッチはクリアで力強く、随所で印象的なルバートを多用しながらロマンチックに弾く。だが、音楽に耽溺している感じはなくて、むしろサバサバと醒めて俯瞰している印象。若干の弾き飛ばしも含めて余裕綽綽。デュトワの付けは弦楽器の響かせ方をはじめ凄く巧い。ふーん。まだ「面白い」と言える演奏ではないと思うが、将来のスターのデビューに立ち会っているのかもしれないと考えると楽しい。第1楽章の後半で(しかも弱音を聴かせているところだった)、誰かの着うたがけたたましく鳴ったのには驚いた。やれやれ。アンコールはマズルカ。

この日のNHKホールは満員で当日券なし。

後半はストラヴィンスキーの「うぐいすの歌」から。あまり実演の記憶がないが、デュトワらしい色彩感とリズムのキレが際立った素晴らしい演奏。複雑な音響が無秩序に交錯する、いかにもストラヴィンスキーらしいスコアを魅力的に響かせていた。そしてドビュッシーの「海」。デュトワの棒でこの曲の実演を聴くのは初めて。もっとざんぶりざんぶり鳴らすのかと思ったら、そこまでではなかった。しかし演奏は緻密でクリア。モントリオール響との録音と同じく、純音楽的なニュアンスよりも、色彩的で描写的な表現をめざしたもので、N響の高い技術と相まって実に達者な演奏だった。ただ、なんとなく予定調和のような大味な印象があったようにも思う。これはたぶん僕の問題。ちょっとデュトワの「海」に期待しすぎていたのだ。

おまけ情報。やはり、第3曲におけるトランペットとホルンの「合いの手」フレーズは「あり」で演奏されていた。

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