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復活

シュテンツ&N響でマーラーの「復活」を聴く(11月12日)。ヴァイオリンは対向配置、ティンパニ&パーカッションも左右に分かれる。冒頭からひきずっていくようなフレージング、リタルダンドするところでは思いっきりためる、ドラマチックな演奏。鳴らすところは思いっきり鳴らし(NHKホール3階の席がフォルテシモで振動するのを感じたのは初めて)、抑えるところはぐっと抑えて弦の弱音の美しい響きを聴かせるなど、シュテンツはなかなかの演出巧者。その意図に十分応えているN響も、技術的なレヴェルが高い。

もちろん、こういう演奏を「あざとい」と思ってしまう向きはあるだろう。しかし、そもそもこの曲自体がそういうケレン味や音響的実験性を志向しているので、こういう解釈は決して間違っていないと私は思う。たとえキリスト教の信仰がない聴き手にも、最後には強いカタルシスを感じさせるように作られているのがこの曲だ。僕がこの曲を聴くときは「音楽の力でもっていってほしい」と思って積極的に身を委ねるので、最後のクライマックスではいつも目頭が熱くなる。そういう聴き方をしないと楽しくない曲だ。というか、音楽ってそういうものではないか?

クラシック・ファンが大好きな、指揮者がどうのとか、オケがどうのとかいう蘊蓄は、最近の僕にはもうどうでもいい。そういうおしゃべりは楽しいけれど、つまるところ「良い趣味」の誇示であり、知識のひけらかしに過ぎない。そうではなくて、ひとつひとつの演奏会に「良い音楽」を求め、そのためにはスコアも読んで勉強していき、積極的に音に向き合って心で感じ取ろうと努力すること。そして何を感じたかを言葉にすること。大事なのはそれだけだ。

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