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Covered Beatles (13) Yellow Submarine 編

ビートルズのオリジナル曲を、全曲違う人のカヴァーで探し続ける Covered Beatles。ついに問題作「Yellow Submarine」に到達です。なんで問題作かといえば、このアルバム(実際には映画「イエロー・サブマリン」のサントラ)はビートルズの曲が半分(LPで言えばA面)だけ、6曲しか入っていないからです。しかもそのうち2曲は既発曲、残りの曲も今の感覚でいえば限りなくアウトテイクに近いものです。そのため、「ビートルズのアルバムで最後に買うのはこれ」というありがたくない評判まで生まれてしまいました。しかし、アウトテイクすれすれといえども、そこはやはりビートルズ。いずれも名曲であることにいささかの疑いもありません。そして既発の2曲についても、以前紹介したのとは別のカヴァー・ヴァージョンをご紹介しましょう。

Revolution






1) Yellow Submarine / Cathy Barberian (from "Revolution" 1967)
「リヴォルヴァー」のときには迷いなく金沢明子の「イエロー・サブマリン音頭」を選びましたが、もうひとつ選ぶとすればこれでしょう。意表をついたオープニング・トラック。一時期ルチアーノ・ベリオの妻でもあり、比類なきヴォーカル・パフォーマンスによって現代音楽界に大きな足跡を残したキャシー・バーベリアンのビートルズ・カヴァー集からの選曲です。疑似古典派風の伴奏でオペラティックに歌う異色のカヴァーは、現代音楽ファンの楽しみにしておくのは勿体ない面白さです。「リヴォルヴァー」のパロディであるオリジナル・スリーヴもポイント。2004年にはインタビューやライヴ音源を追加、「Beatles Arias」としてCD化されています。

Seul_en_vie






2) Only A Northern Song / Michel Drucker Experience (from "Seul En Vie" 2006)
2曲目はハードなタッチで。フランスのロック・シンガー、ミシェル・ドラッカーのカヴァーです。オリジナルはジョージのちょっと中途半端なサイケ曲ですが、このヴァージョンのようにアコギでジャカジャカ始めると、やたらかっこいい曲に聴こえてくるから不思議です。もうひとつ面白いと思ったカヴァーは Yonder Mountain String Band のライヴ音源(ネットでのみ販売)。コンピレーションの流れとしてはよくなかったので選びませんでしたが、完全にカントリー・タッチに変貌した異色のヴァージョンです。

Korlassa_krokridandi






3) All Together Now / Kolrassa Krókríđandi (from "Köld Eru Kvennaráđ" 1996)
アイスランドの有名ガールズ・バンド、コルラッサ・クロークリザンディ(英語でのバンド名はBellatrix)の4枚目のアルバムより。お子様ソング、あるいは牧歌的解釈に陥りがちなこの曲を、パンキッシュでもある強烈なロックに仕立て上げるところ、並みの感性ではありません。もう解散してしまいましたが、凄いバンドでした。オリジナル通り、最後のテンポアップもアドレナリン出まくり。

Criminal_tango






4) Hey Bulldog / Manfred Mann's Earth Band (from "Criminal Tango" 1986)
1960年代から活躍するあのマンフレッド・マンが、バンド遍歴の果てに辿りついた、マンフレッド・マンズ・アース・バンドの80年代のアルバムから選曲。このヴァージョンのタイトルは「Bulldog」となっていますが、もちろん「Hey Bulldog」のカヴァーです。いかにも80年代的なシンセ音ですが、そこがまた面白い。これまた異色のカヴァー。

L






5) It's All Too Much / Steve Hillage (from "L" 1976)
ゴングのギタリストとしても有名なスティーヴ・ヒレッジのセカンド・ソロ・アルバムから。プロデュースはトッド・ラングレンで、このジョージの名曲を選んだあたりにもトッドのセンスが感じられる。基本的には完コピで進むところがいかにもトッドらしいが、曲が終りまできていきなりブレイク、スティーヴのギター・ソロが延々と始まるところがポイント。これがまた凄くかっこいい。

Live_in_living_09






6) All You Need Is Love / 羊毛とおはな (from "Live in Living '09" 2009)
ラストは再び既発曲。「マジカル・ミステリー・ツアー」ではリンデン・デヴィッド・ホールの名カヴァーを選びましたが、ここでは日本が誇るアコースティック・デュオ、羊毛とおはなのヴァージョンをどうぞ。CMでも使われていましたが、千葉はなの甘い声と、羊毛くんのシンプルなギターの取り合わせがいい感じです。まず書店「ヴィレッジ・ヴァンガード」でのライヴ・ヴァージョンが出た(「ヴィレンジ・ヴァンガード」限定発売)のですが、その後にこのスタジオ録音もリリースされました。ほんわかした心温まるカヴァー。

というわけで「イエロー・サブマリン」はあっという間に終わってしまうのです。さて、「パスト・マスターズ」を入れてもあと3枚。乞うご期待。

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