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MTTは神だ!

Img010_2と、書くとほとんど信者になってしまいますが、今回のPMF大阪公演でのマーラー5番はかなり良かったですよ。札幌公演を聴いた人のブログがぼちぼちあがっていますが、そこでの評価もかなり良好。ますますMTTのことが大好きになってしまいました。とりあえずメモ程度にレポート。

2009年7月27日(月)
PMFオーケストラ大阪公演
ザ・シンフォニーホール
指揮:マイケル・ティルソン・トーマス
ティルソン・トーマス:シンフォニック・ブラスのためのストリート・ダンス
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

どうしようもなく仕事が押してしまったので、前プロは聴けませんでした。私は西海岸実験音楽作曲家としてのMTTも割と好きなので残念。他のブログの評価を待ちたいと思います。さてマーラーですが、驚きの対抗配置。ハープは上手に、コントラバスは下手奥にずらりと並んでいます。第1楽章冒頭のトランペットはほとんどこの曲の生命線ですが、若い女性のプレイヤーが完璧に決めてきました。音色も音量も音程も的確だったと思います。嵐のような楽想では、MTTはオーケストラをドライヴしまくる。ふと始まるウィーン風の懐かしいうたは、ノスタルジーたっぷりに歌わせる。複雑なリズムのさばき方に関しては、もうMTTの右に出る人はいません。第3楽章のホルンも女性プレイヤーでしたが、これも音色・音量・音程すべてパーフェクト。私見ではこの楽章こそがこの曲の中心的内容であり、生と死の舞踏を描いていると思うのですが、錯綜した楽想が見事に描き分けられていきます。アドルノが「影のようなものの典型」と書いたあのピツィカートのフレーズも情感たっぷり。そしてコーダに突入する部分の大太鼓の「野蛮な響き」には興奮させられました。札幌公演についてはブラスの音量に不満を書いているブロガーの方も見受けられましたが、大阪公演に関しては全く問題は感じられず、バリバリと鳴らしまくって迫力十分でした。アダージェットは本当にロマンチック。MTTとしてはもうちょっとタメたかったのかなぁと思われるフレーズも散見されましたが、もやのかかったような弦楽器の音色を強調したノスタルジックな音楽づくりは見事。個人的には、後半の第2ヴァイオリンから出てくる主旋律を、あえて違う音色で弾かせているところが凄いなあと感じ入ってしまいました。フィナーレの大団円にはもはや何も言うことがありません。あまりに感激してホール裏で出待ちまでしてしまいました(サイン会はなくて、MTTはささっと車に乗り込んで帰って行きました)。

PMFの力量ももちろん素晴らしいけれど、統率者としての(あるいは教育者としての)MTTの力に恐れ入ってしまった次第です。やっぱりすごい人だなあ。ぜひサンフランシスコまで観に行きたいと思ってもう数年が経ってしまいました。しかし大阪公演はそれなりに埋まっていたとはいえ空席もあり、もったいない限り。世界的指揮者、天下のMTTが好き放題ドライヴするマーラーなのですから。聴かなきゃ損というものです。東京公演のブログも待っていますので、クラ系ブロガーの皆さま、よろしくお願いします。

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