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ブラームスはお好き?

Photo大阪センチュリー交響楽団の第126回定期演奏会を聴いた(11月8日、ザ・シンフォニーホール)。指揮は首席指揮者の小泉和裕。1年ほど前に初めてこのオケを聴いたときの驚きは、このブログにも書いた覚えがある。編成が小さい!弦がきれい!管は若干パワー不足を感じるときもあるが、大きく外すことはまずない。何というか、きれいにまとまってアットホームな感じだ。それから1年間、時間の許す限りこのオケの演奏会に足を運んできたが、ますますこのオケの響きが好きになっている。管もずいぶん良くなったと思う。小泉とオケの間にいい形の信頼関係があることが伝わってくるのも心地良い。小泉指揮の演奏会のときは特に安心して音楽に身を委ねることができるのだ。もちろん何もかも完璧というわけではないけれど、いいオケだと思う。実は、練習場が私の自宅からものすごく近いのだ。それも親近感を持つ理由かも。

ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
R.シュトラウス:4つの最後の歌(ソプラノ独奏:中丸三千繪)
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73

注目はやはり「4つの最後の歌」。中丸の声の質は柔らかくて良いのだが、最初は声がうまく通らないような印象を受けた。歌がオケの響きの中に埋もれがちで、子音は全く聞こえず、ヴィブラートのかかった長い音符だけが聴こえてくる。惜しいな・・・と思っていたら、第2曲「9月」の終盤、小泉がオケの音量とテンポを「ぐっ」と落とす甘美な部分があり、そこから急激に良くなっていった。現在のホールの状態でのオケと歌の響きのバランスをしっかりと捕まえた感じ。特に終曲の「夕映えの中で」の美しさは絶品だった。最後のフレーズ「ist dies etwa der Tod?」の精妙な美しさ・・・。小泉が弱音で展開する繊細な流れに、しばしば木管がピシッと合わないところがあったのが残念だが、総じて素晴らしい演奏だったと思う。コンマスの川崎も、ちょっとヒヤリとする箇所はあったものの、実に美しいソロの音色を聴かせてくれた。

そしてブラームスの2番。この曲を聴いて嫌な気分になる人など、世の中にほとんどいないのではないだろうか?私は聴くたびにペルチャッハ(ブラームスがこの曲を作曲した土地)とはどんなに美しい土地なのだろうかと考える。小泉はセンチュリーの美しい弦を朗々と響かせると同時に、第1楽章の第2主題のチェロなどしっかりとマルカートを強調して聴かせる。う~ん、いいなあ。そして第4楽章のエンディング。コーダに入るとハラハラするほどのアッチェレランドをかけてスリリングに突進していき、金管も輝かしく鳴らし切って大団円を迎える。これは熱演だ。小さくまとまっていて雄大なスケールには欠けているかもしれないけれど、素晴らしいブラームスだった。

小泉/センチュリーのブラームスはやはりとても良いと思う。来年はついに1番。期待が膨らむ。

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