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熱帯有機的アブストラクト

Ua






UA Tour Golden Green 07 @梅田芸術劇場(大阪)

<セットリスト>
01. 雲がちぎれる時
02. 黄金の緑
03. Melody lalala
04. 大きな木に甘えて
05. 男と女
06. 情熱
07. トュリ
08. The Color of Empty Sky
09. ファティマとセミラ
10. Paradise alley / Ginga cafe
11. リズム
12. 踊る鳥と金の雨
13. Panacea

14. 閃光
15. Moor
16. スカートの砂
17. プライベートサーファー
18. 水色

UA(vo) 内橋和久(g) 鈴木正人(b) 外山明(ds) 太田美帆(vo)
青木タイセイ(tb) 塩谷博之(cl) 権藤知彦(flh, euphonium)

舞台上にたくさんの樹木を配置して、森の中で演奏しているようなイメージを喚起するステージ。ギタートリオ+3ホーンのバンドは、やや小さくまとまっているような印象もあるが、コール&レスポンスの感覚が鋭敏で悪くない。中ではやはり外山明の演奏が面白い。リズム・キープから離れてフリーな感覚でのプレイに入ったときの瞬発力には瞠目させられる。立ち上がってのプレイも視覚的なインパクトが強い。内橋和久は思ったより堅実な印象だがバンドの統率力は強く感じられるし、鈴木正人は相変わらずクール。リズム的に自由で即興的要素の多いギタートリオと、しっかりとアレンジされたハーモニーで音楽を色づけていくホーン・セクションとの対比がこのバンドの妙味だ。キーボードが入っておらず、弦楽器と打楽器と管楽器の響きが生々しくぶつかることで作られる、乾いた感じの音像も魅力的。

UAは最初のうち高音が出ずにちょっと調子が悪そうに思えたが(ツアー終盤でノドもかなり疲れてきているのかも)、しだいに復調。フェイクというのかスキャットというのか、森の中の動物の鳴き声のようなヴォイス・パフォーマンスは彼女の得意技だと思うが、面白い(オノ・ヨーコも感慨を新たにするだろう)。とにかく個性的な声に強い魅力がある人だ。アンコールの「Moor」後の3曲は「愛のリクエスト・コーナー」。観客からの「全部やればええやん!」「・・・私いちおうデビュー12年ぐらい経ってるんだけど」には笑ってしまった。そして政治的なステートメントについては、観客ひとりひとりが考えれば良いことだと思う。ナイーブと批判することはたやすいが、公の場で9条や六ヶ所村のことについて呼びかける勇気に対してとやかく言うことはできない。ただ、話はもっと上手にしたほうがいいとは思うが。

印象としてはアブストラクトなのだが、貝殻の構造を見ているように有機的な作りの音楽である。そして、熱帯のイメージがある。ちょうど初期フリー・ジャズの思想のひとつにアフリカ回帰があるように、南方的要素を強く感じさせる音楽。「turbo」期の曲がこのバンドに非常にマッチすることも発見した。

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コメント

このライヴの翌日、HONZIの急逝を知った。
UAはいま何を考えているのだろう。R.I.P.

投稿: 無弦庵 | 2007年9月29日 (土) 23時12分

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