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「三文オペラ」再訪

三文オペラ ワイル:三文オペラ

所用で東京に行く新幹線の車内ですることがないので、久しぶりに「三文オペラ」に向き合ってみることにしました。残念ながらポータブルDVDなどは持っていないため(それにこの作品の良い映像ソフトも知らない)、岩淵先生訳の岩波文庫を読みながら、ウテ・レンパー、ミルバ他の豪華キャストによる名盤を耳で楽しむというやり方(これはやったことがなかった)。

いいですね。ついつい自分ならどのように演出するだろうか?ということを考えてしまいました。音楽に関して言うと、やっぱりこれはヴァイルの舞台音楽の最高傑作ではないでしょうか。この上なくキャッチー、しかし演劇の中でしっかりと機能している。「俳優が、普通の会話というベースを離れていつのまにか歌をうたっていたことに自分でも気づかないふりをすることぐらい嫌らしいものはない」というブレヒトの命題をきちんと受け止めた「ソング」のあり方は、現代でもまったく新鮮さを失っていないと思います。「メロディーについて言えば、俳優は盲目的にスコアに従わなくてもよい。音楽に逆らってしゃべるというやり方があって、この効果が大きいときもあるのだ」「うたう場合に一番大事なのは、『示している者〔演じる者〕が示される』ということなのだ」。岩淵訳の歌詞もひとつの例に過ぎません。自分ならどのような現代の口語でソングを歌わせるか?

岩淵訳と対照させて聴いて、この名盤にもいろいろと歌詞の省略があることに初めて気がつきました。また、本来の上演にはないジェニー役のミルバの「海賊ジェニー」、カットされた「ルーシーのアリア」が入っているのはCDならでは。「いかにも」な響きを作り出すベルリン・シンフォニエッタの演奏も最高ですが、ふと思ったのはこの曲のスコアはどのようになっているのかということ。クルト・ヴァイル・ファウンデーションはアレンジをどのくらい許してくれるのでしょうか?また調べてみることにしましょう。う~ん、ウテ・レンパー最高。

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