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The Beatles Gregorian Songbook

The Beatles Gregorian Songbook: The Liverpool Manuscript

「近年、リヴァプールから30マイルほど離れた修道院で、驚くべき中世の手稿譜が発見された。その内容を分析した音楽学者によると、なんと記されていた音楽はあのビートルズの曲と酷似しているという。作曲者とされているのは、ジョン神父、ポール神父、ジョージ修道士という3人の僧たち。手稿譜の存在はこれまで全く秘密にされていたため、ビートルズがこれらの曲を知っていた可能性はない。音楽学者たちは現在もこの謎を探求している・・・」

 昨年の後半には出まわっていたCDらしいのですが、私が知ったのは最近。要はグレゴリオ聖歌のスタイルによるビートルズ・カヴァーです(Martin Dagenais 指揮の The Schola Musica による)。カヴァー・アルバムというものにほとんど興味を持てない性質なのですが(オリジナルの方が100倍ぐらい優れているという例が多すぎる)、ビートルズものだけはちょっと別。3歳ぐらいから赤盤と青盤を耳タコになるぐらい聴かされて育った(実話です)私にとって、ビートルズの音楽は空気のようなもの。誰がどんな料理の仕方をしても楽しめてしまいます。そして言い古されたことではありますが、彼らの音楽は本当に素晴らしい素材なのです。

 鐘の音で始まるのはあのソレム修道会の名盤のパロディでしょうか。グレゴリオ聖歌のイメージそのままに、まるで修道院の中で歌っているような深い残響の男声合唱。時折メリスマティックな装飾が入る以外は、原曲のメロディーをそのまんま歌っているだけなのですが、雰囲気があまりにそれっぽいので、ちょっと聴いただけではビートルズの曲だとはわからないほどです。そして原盤ライナーが凄い。上にもそのテイストをちょっと意訳しましたが、かなり凝ったパロディーが展開されています。曰く、ジョージ修道士は東洋思想に大きな影響を受けていたが、やがて仏教の教えに惹かれて修道院を離れカシミールに行ってしまった。曰く、3人はリチャードという忠実な家来(!)を従えて世俗の吟遊詩人としても活動することがあり、ロンリー・ハート・ミンストレルズと名乗っていた・・・。このバカバカしさに脱帽です。1曲1曲にも詳細な「解説」がついていて、これも抱腹絶倒の面白さ(こういうパロディの常として、ビートルズの曲を知っていれば知っているほど面白い)。もちろん音楽的な完成度も高く、中でも「インド風」の曲は東洋的な旋律がとても妖しい響きとなり魅力的です(異教にかぶれたジョージ修道士らしい)。またアルバムの最後には「Let It Be」に続いて「The End」が入っているのですが、「1ページだけが残っているので、この作品がもっと長い曲の一部分なのかどうかはわからない」そうです。

 PDFファイルで全曲の楽譜つき。これは普通の五線譜なのですが、もしネウマ譜にしてしまったらやっぱりやりすぎかしらん?

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